「頑張ってチョキチョキしてくださいねー」
鍋山先生は、レッスン中によくこの声かけをしてくださいます。
私がスクラップブッキングを始めたのは、息子が幼稚園に入った時でした。ペーパーの可愛らしさ、パーツなどを各自で選べる自由度によって同じサンプルで作っても作り手の個性が出る面白さ。あっという間に夢中になりました。
数ヶ月経った頃、当時闘病中だった実父を見送るという出来事があり、その際に母や妹たちの為に、元気だった頃の父との思い出写真でミニアルバムを作成しました。
モノクロやセピア色の写真とともに、父や家族とのいろいろな思い出をたどることができ、涙が出ることもありましたが、作業に没頭することが自分の癒しになっていることにも気が付きました。
2級インストラクターの資格取得の際には、スクラップブッキングの奥深さを学び、一緒に受講した皆さんに仲間意識を感じたりもしました。
スクラップブッキングを始めた当時幼稚園だった息子も、今では中学校2年生です。カメラ目線は減り、私の前を歩く後ろ姿、スマホやゲームをやっている横顔の写真が多くなりました。誰かと食べた料理やスイーツ、一緒に眺めた景色、お花などの写真が増え、これも貴重な思い出の写真です。
スクラップブッキングを始めて10年、選ぶ写真や好きなペーパーは変化しましたが、1つの作品が出来る度に味わう達成感はかわりません。
「頑張ってチョキチョキしてくださいねー」の先生の明るい声にワクワクしながら、スクラップブッキングの時間をこれからも楽しみたいと思います。